死後手続きが落ち着いたら遺産分け手続きです。

1に遺言書。2に話し合い。

遺産分けは法律で定められています。まず遺言書があれば基本的には、遺言書に書かれている通りに分配する。遺言書がなければ相続人全員の話し合いで分配を決めることになります。奥さんが2分の1で子供さんが残りの2分の1を兄弟の数で分けるというお話を聞かれたことがあると思います。「法定相続分」として法律で定められているものです。しかしながら法定相続分は相続人全員が納得すれば、どう分けても良いのです。話し合いがまとまったら「遺産分割協議書」を作って、相続人全員で確認して署名捺印して1部ずつ持つことになります。必ずしも必須ではありませんが、後日のトラブルを避けるためにも遺産分割協議書を作られることをお勧めします。

先ず遺言書を探しましょう。

先ずは亡くなった人が遺言書を残していたかどうかを探してみましょう。亡くなった人の戸籍謄本と相続人の戸籍謄本を用意して公証役場に行けば「遺言検索システム」により亡くなった人が公正証書遺言を残していたかを調べることが出来ます。自筆での遺言書でも法務局での保管制度が始まりました。これも調べることが出来ますが、行き先は法務局になります。(調べることは全国どこの法務局でも大丈夫です。)公証役場や法務局で調べても無かった時は、亡くなった人の机廻りや仏壇や金庫(貸金庫)の中、通帳入れの中、ベットの下など相続人出来れば二人以上丁寧に探してみて下さい。

遺言書の原本?正本?検認必要?ややこしい。

公正証書遺言には原本・正本・謄本があります。正本は原本と同じ効力を持ち各種の名義変更に使うことが出来ます。謄本は内容の確認用とされていて名義変更に使えない銀行などの金融機関もありますので、事前に問い合わせをされると良いと思います。自筆証書遺言だった場合は、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で検認を受ける必要があります。遺言書の検認の申立書に記入して亡くなった人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、収入印紙を添付して提出します。検認手続きを怠ると5万円以下の過料が科せられることがありますし、遺産の名義変更の時に困ることになりかねません。検認手続きの必要のない公正証書遺言自筆証書遺言の法務局保管制度がお勧めです。遺言書通りに分けなくても良いケースや遺言執行者が定められているケース、相続人以外の人に財産を残す遺贈などの場合も起こりえますので、身近な専門家に相談されることをお勧めします。

行政書士 辻賢一事務所