何が違うの?..助成金と補助金

助成金とは

助成金は、景気が悪くなっても安心安定して働けるように、また働く人が快適に過ごせる為の環境を整えることを目的に会社や事業所の為に、雇用や労働環境、労務問題などの整備・改善を支援することが目的です。助成金には大きく分けると雇用関係の助成金研究開発関係の助成金に分けられるかなと思います。雇用関係の助成金は、厚生労働省が主に管轄して公募を行っているもので、企業の働く人を増やすことや人材を育てること、安心して働ける雇用や働く人の環境の改善を図ることが目的となります。研究開発型の助成金は、経済産業省が管轄して新しい技術の開発や新製品の開発やサービスの研究開発費を支援することが目的になっています。助成金は申請してから取得するまでに1年〜1年半程度かかり、それぞれの管轄に申請を行います。助成金を受け取るには、1.実施計画の作成後、管轄省の認可を受けてから内容を実施。2.半年程度の待機期間を過ぎてから審査が行われるため、実際に助成金が下りるまでに期間がかかります。助成金の種類として働く人の・雇用維持・新規雇用・人材育成といった助成が一般的です。この他、働く人の環境を整えること。・就業規則の変更・介護・育休暇制度の導入等の助成もあります。(厚生労働省への申請手続き代行業務は社会保険労務士の業務です。)

補助金とは

補助金とは、主に国や県市町村が業を起こす等の政策目的に沿った事業を行う者に対して、主に資金面を補助するために給付されるお金です。新規事業や創業促進、雇用の安定などが目的で、その財源は税です。補助金は国の予算が決まった後に募集されることになります。募集開始は4月~6月頃から公募されるものが多くなります。例外としてコロナ禍の時などは緊急に募集されたこともあります。補正予算が組まれる場合などは年末に第二次公募で募集される場合もあります。なお募集期間や回数は補助金によって異なりますが、募集期間は大体1か月前後となります。主な補助金の種類としては「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「中小企業等事業再構築促進事業」などがあります。

助成金と補助金の違い

助成金は主に厚生労働省が管轄省となり、補助金は主に経済産業省や県市町村が管轄になります。その違いの理由としては、助成金は雇用や労働環境などに視点を向けています。補助金は事業を通じての社会貢献度に視点が向けられているためです。助成金は、対象者や資金使途など要綱に記載されている要件に合致していれば、ほぼ受給できます。随時、通年で募集されているものが多数で給付額は数十万円から高額でも百万円程です。一方、補助金は予算内で支給されるため、支給目的や趣旨及び採択件数などが決められており、申請したからといって必ず受給できるとは限りません。募集期間は年度の始めや補正予算が組まれた時期に集中する傾向にあります。補助額は数百万円から億単位まであり、種類によって採択率も大きく違います。(県市町村などの地方自治体が行なう補助金事業の中には助成金の名称を用いているものもあるようです。管轄が何処なのかで判断して頂けたらと思います。)

活用する際の注意点

資金の確保が必ず必要になります。助成金・補助金ともに後払いです。支払いは一旦は会社や事業主が自己資金で払うことになります。助成金・補助金が入金されるまで1年程度の期間が発生するため、入金のタイムラグを埋めるために資金を確保しておく必要があります。特に事業再構築補助金は補助される金額が1億円程度のものもあり多額に補助されますが、自己資金も多額に必要になるため、資金確保をした状態で助成金・補助金を申請するか、金融機関に対して融資を依頼するなどの方法をとる必要があります。助成金・補助金どちらの給付金も支給目的や支給趣旨が定められており、それに基づき申請し採択の可否が判断されます。実際に事業実施の後、検査や確認が入ることがあります。申請内容と異なった事業となっていれば申請が採択されていても、給付金が下りないケースもあります。また給付申請のために報告書や支払証憑類を提出しなければなりません。提出書類の中に不備が無いように正しい記載や書類の保存などの適切な事務処理を行うことが大切になります。助成金や補助金についてのご相談はお気軽にご連絡ください。

行政書士 辻賢一事務所」 特定行政書士 辻賢一