
相続人同士で合意できない。
遺産の分け方について相続人同士で納得いかない合意できない時は、遺産分割調停を家庭裁判所に申し立てることになります。調停は裁判所が一方的に判決を下す訳ではありません。相続人同士の話し合いの場に調停委員が入って、相続人の言い分を聞いて折り合える内容を探っていく手続きです。調停では原則として相続人全員の出席が求められます。1回目の調停では相続人同士で対面することもありますが、2回目以降は調停委員さんと話しをして行きますので顔を合わせることはありません。調停は1~2ヶ月に1回のペースで平均で5回以上開かれています。調停では相続人同士で歩み寄る気持ちが大切になります。全体を通して見ると60%近くが調停の段階で折り合えて合意に至っています。調停で合意が出来ない時は、裁判官が一方的に遺産の分け方を言い渡す審判という手続きに移行します。
裁判になってしまったら
相続人同士の話し合いで遺産の分け方が調停でも合意できない時は、裁判所が判断をする審判に移行することになります。この段階では行政書士が出来ることはありませんので、任意ではありますが弁護士さんに依頼をして法廷で争うことになります。時間も弁護士費用もかかりますし、当事者の方にお話をお伺いすると心のストレスも大変なものがあるようです。また相続税の申告期限があり、相続の開始があったことを知った日から10ヶ月以内に行わなければなりません。その場合は法定相続分で計算することになり、相続税の各種特例は用いることが出来ませんので高額な税額になる可能性もあります。相続人同士で合意できない理由としては、遺産の多い少ないよりも私が最後まで被相続人の介護のお世話をしたとか、長子だから不動産は相続したいとか、兄弟は平等だから均等に分けるべきとか気持ちの部分が大きい気がします。仲の良かった兄弟姉妹が相続のことで争族になり疎遠になってしまう。とても悲しいことだと感じます。
遺言書を残す大切さ
このような遺産争族による悲しい争いごとになる前に遺言書を作成して残しておくことが大切です。遺言書を公正証書遺言書にしておくと第三者によって偽造されたり紛失したりするリスクが殆どありませんし、公証人さんが作成するために内容に不備が見つかって有効にならないという心配もありません。不動産を長男に、預金を長女になど遺産を指定する場合など項目が多い時にも非常に良いと思います。ただ費用がそれなりにかかることと遺言書を書き換えたい時等は、それなりの手続きも必要となります。被相続人様が自筆する自筆証書遺言書も目録等はパソコン等でも作成が出来るようになり、法務局での保管制度も開始されて偽造や紛失のリスクが殆どなくなって利用しやすくなっています。ただ法務局は遺言書の内容までは精査してくれませんので無効にならないように、予め遺言書に書く内容等は専門家にご相談されることをお勧めします。また、遺言書の内容をなぜこのように決めたのかという被相続人様の気持ちを付言事項として残すことによって相続人同士の気持ちの行き違い、ひいては争族なることを防げることもあります。遺言書の作成のご相談は、街の身近な相談者お近くの行政書士にお気軽にお問い合わせ下さい。