要らない家や土地も相続したくない
借入金などの金銭的な借金だけでなく、親御さんが残した故郷の要らない家や土地等の不動産を相続したくないと思う子供さんなどの相続人もいて相続放棄申述受理件数は2020年間時点では23万件を超えていて5年連続で増えています。この背景には故郷を出て生活基盤は都会などの別の場所にあり、田舎の古くなった家や土地は要らないが処分しようにもなかなか売れない。家屋の解体撤去の費用もかかるし更地にしても土地の課税額が上がるという負動産化現象や空き家を放置することへの罰則が強化されたことにも一因があると考えられます。相続放棄は相続人各々で行うことが出来て裁判所への手続きもそれほど難しくありません。しかし相続放棄ができる期間は相続の開始があったことを知った時から3か月以内とされていますので、財産の調査の時間などを考えるとそんなに時間的な余裕はありませんので注意が必要です。
相続財産を調べることが重要です
相続放棄の手続きは通常では亡くなった方の残した財産の預金類や不動産の価値よりも借入金などのマイナス財産が上回ってしまった時に行います。その為手続きを行う前にまず亡くなった方の遺産の現状を正確に調べる作業が不可欠となります。例えば預貯金なら通帳やキャッシュカード、不動産であれば登記全部事項証明書や固定資産税の納税通知書などがあります。またその他にも銀行等に照会したり名寄帳を取り寄せたりする必要があります。各種請求の際には亡くなった方の死亡記載のある戸籍謄本と請求者が相続人であることを証明できる戸籍謄本、本人確認の為のマイナンバーカードや運転免許証なども必要となります。調査が期限内に終わらないようであれば家庭裁判所に相続放棄の期限を延ばしてもらえる申し立てを行うことも必要になります。
相続放棄を申し立てる手続きの流れ
相続放棄をするには、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に出向いて相続放棄申述書を提出することになりますが、郵送で送ることも出来ます。申述書が家庭裁判所で受理されると相続人が相続放棄の要件を満たしているかの確認する為に一定の事項を質問する照会書が送られてきます。質問の内容は放棄の理由や相続財産の概要を問うもので難しいものではありません。照会書を返送して家庭裁判所で相続放棄の要件を満たしているかの判断がされて受理されれば申し立てをした相続人の住所に相続放棄申述受理通知書が届きます。この書類は亡くなった方の預貯金や不動産の相続手続きを行う際に必要になる場合があります。再発行はしてくれませんので大切に保管して下さい。亡くなった方の遺産を少額でも自分のために使ってしまうと相続放棄は出来なくなりますので注意が必要です。相続を放棄する以外の亡くなった方の借金問題の解決方法としては限定承認や自己破産などがありますが、改めて記したいと思います。相続の手続きなどは街の身近な相談者である行政書士にご相談下さい。ご依頼者様に寄り添ってお話しを聞いて最良の方法をご提案致します。