区分所有法の改正(2025年5月成立、2026年4月施行予定)を受けて、国土交通省は「マンション標準管理規約」を2025年10月に改正、公表しました。
法律が変わっても、各マンションの「管理規約」が古いままでは、新制度をスムーズに活用できないケースが出てきます。特に大きな見直しポイントは以下の3点です。
1.総会の「定足数」と「決議ルール」の変更
今回の法改正の目玉である「出席者ベースの多数決」を反映させるための変更です。【定足数の明確化】これまでは「議決権総数の半数以上」が定足数(総会が成立するための人数)でしたが、改正版では「組合員総数および議決権総数の各過半数」とより明確に定義されました。
【出席者の多数決(特別決議)】重要な事項(共用部分の変更など)を決めるとき、これまでは「全組合員の3/4以上」が必要でしたが、新制度では「総会に出席した組合員の3/4以上」で決議できるようになります。標準管理規約もこのルールに沿って書き換えられています。※注意点: 自分のマンションの規約をこの「出席者ベース」に書き換えないと、せっかくの緩和制度が使えません。
2.「所在不明区分所有者」への対応
連絡がつかない所有者が原因で管理が滞るのを防ぐための規定が追加されました。【探索規定の新設】 理事長が理事会の決議を経て、届出をしない所有者の所在を探索できる規定が追加されました。【費用の請求】所在探索にかかった費用を、その所有者に請求できる仕組みも盛り込まれています。
3.バリアフリー・耐震改修の要件緩和
老朽化対策を促進するため、特定の工事に対するハードルが下がっています。【2/3以上の賛成で可能に】バリアフリー化(エレベーター設置など)や耐震改修については、一定の要件を満たせば、これまでの3/4ではなく2/3以上の賛成で実施できるよう、規約の選択肢が広がりました。
※管理組合様が今すべきこと。現行規約のチェック: 今の規約に「区分所有法に従う」という包括的な文言があるか、それとも具体的な数字(3/4など)が書き込まれているかを確認してください。規約改正の検討: 2026年4月の法施行以降に、新制度(出席者ベースの多数決など)を使ってスムーズな運営をしたい場合は、総会で管理規約自体の改正(アップデート)を行う必要があります。
管理計画認定制度との兼ね合い: 最新の標準管理規約に準拠していることは、マンションの資産価値を高める「管理計画認定制度」の評価にもつながります。
まずは、管理会社やマンション管理士などの専門家に「最新の標準管理規約との差分」を出してもらい、次回の通常総会に向けて改正案を準備し始めるのが良いタイミングです。ご相談はお気軽にご連絡ください。
「行政書士 辻賢一事務所」 マンション管理士 管理業務主任者 辻賢一





