
指定難病の認定と身体障害者手帳の交付。
指定難病の認定は2021年2月に身体障害者手帳1級の交付は診断書の発行が遅れたものの3月に無事に認定交付されました。指定難病に認定されると申請日に遡って自己負担額の上限額が適用されて、医療費の支払いが軽くなります。身体障害者手帳の交付がなされると自治体が行っている重度心身障害者医療費助成制度が受けられ併せて患者家族の自己負担額が更に軽くなります。それぞれ月ごとに助成の申請手続きは必要となります。妻の病院での闘病生活は、コロナ禍の中で週に一度のタブレットによるリモート面会しか出来ない為に、直接に会うことは出来ずにもどかしくはありましたが、その度に妻は笑顔で病棟の看護師さん達や病室の皆さんが優しく親切に接して頂けていることや病院食も美味しい事などを話してくれて、洗濯物の受け渡しの際には看護師さん達から妻がリハビリを凄く頑張っている事や妻のことを、とても優しくて美しい素敵な女性だと言って下さり、自分としても慣れない家事と仕事に追われながらも、この頃は比較的に落ち着いた日常を過ごせていました。
子供達の帰省とタブレット越しの面会。
妻と自分との間には娘と息子が一人ずつで二人の子供達がいますが、子供達は日頃から妻とはとても仲良しで仕事上の悩みや日常の相談事などは何でも話し合っているようで、自分は父親として一応は立てて貰っていましたので報告を受ける形が大半でした。つくづく妻が家族の中心で太陽みたいな存在であること。自分は大して子供達のお役に立てない不甲斐ない存在であることを痛感していました。娘はお隣の福岡県に住んでいますので、週に一度のペースで帰省してくれて、妻とはタブレット越しですが、楽しそうに女子会トークをしてくれていました。父親である自分の家事の段取りや料理の上達ぶりを厳しくチェックして励ましてくれていました。息子は結婚して家庭を持って神奈川県で暮らしている為に、仕事も忙しく遠方なので、なかなか帰省することも出来ずに妻との面会もままならず、小さい時からお母さん子だっただけに、もどかしく辛い思いをしていたのではないかと思います。4月上旬に休みを取って家族と一緒に帰省出来る事になり、タブレット越しですが、病院での面会の許可も頂くことが出来ました。
スマホ越しの家族が揃っての最後の面会。
予定通りに4月上旬に息子は、奥さんと男の子の家族3人連れで帰省してくれました。合わせて娘も帰省してくれて、久しぶりに家族全員が揃う事になりました。ところがコロナ患者増えている状況なので、急きょ県外からの訪問者はタブレット越しの面会も叶わないと言われてしまいました。暫くぶりに家族が揃うので何とかならないかと相談すると病院外からのスマホによるリモート面会ならという事で許可が出ました。せっかくの機会なので妻の母にも会ってもらおうと妻の実家に家族皆で出掛けました。病棟と約束の時間になりスマホ越しの小さな画面ですが、無邪気に呼びかける一年生になった男の子の孫や、妻の母の娘である妻を思いやる言葉のやり取り、家族で代わる代わる交わす妻との会話に、妻と泣かないと約束していたのに涙を堪える事が出来ませんでした。リモートでの面会でしたが家族全員で妻に会えたのは、この日が最後になりました。