最近、身体障害者手帳の申請・交付に関するご相談を続けてお受けする中で、改めて感じていることがあります。身体障害者手帳の認定は、単に診断名や検査数値だけによって決まるものではなく、実際の日常生活において「どのようなことが、どの程度できないのか」という身体機能の状態を、診断書や意見書等を通じて適切に伝えることが重要だということです。もちろん、最終的な認定は行政庁の判断によるものであり、行政書士が認定結果を決めることはできません。また、指定医の医学的判断を行政書士が評価することもできません。
しかし、申請者ご本人やご家族から詳しくお話を伺うと、診断書に記載された内容だけでは十分に伝わっていないと思われる日常生活上の困難が見えてくることがあります。例えば、立位をどの程度保持できるのか、どのくらい歩けるのか、補助具が必要なのか、座位をどの程度続けられるのか、日常生活で家族の介助がどの程度必要なのか等。こうした具体的な状況を整理し、医師に正確に伝え、必要に応じて追加の資料や本人の生活状況を示すことには、実務上の意味があるのではないかと感じています。
また、いったん認定結果が出たとしても、「なぜこの等級になったのか」「申請時に提出した資料がどのように評価されたのか」を確認することは大切です。結果に疑問がある場合には、理由を確認したうえで、事実関係や医学的な評価について整理し、必要であれば審査請求などの手続を検討することもできます。私自身、身体障害者手帳に関するご相談をお受けするようになって、一つ一つの案件について、制度を確認し、関係資料を読み、行政庁の判断を理解し、依頼者の方の状況を丁寧に整理することを心掛けています。今回の記事では、守秘義務の関係から具体的な案件の内容や個人が特定されるような事情については触れていません。
ただ、これまでの相談を通じて感じるのは、身体障害者手帳の申請において大切なのは、「何級になるか」という結果だけを考えることではなく、ご本人の身体機能と日常生活上の困難を、できるだけ正確に行政に伝えることではないかということです。これからも、一件一件のご相談を大切にしながら、身体障害者手帳制度についてさらに勉強し、行政不服申し立て手続きを行える。必要とされる方のお力になれる特定行政書士を目指していきたいと思います。
「行政書士 辻賢一事務所」 特定行政書士 辻賢一



