キャリアアップ助成金

正社員化コースとは

社内の規定に基づき非正規労働者を正規労働者に転換した企業に助成される制度です。契約社員や有期のパートやアルバイトさんなどの有期契約労働者を正規雇用労働者に登用することで一人に付き80万円。無期契約社員や無期のパートやアルバイトさんを正規雇用労働者に登用することで雇用者に40万円が支給されます。申請の時期としましては正規雇用労働者に転換して半年後に1回目の申請1年経過後に2回目の申請を行います。正規雇用労働者の定義としましては無期契約でフルタイムで勤務されていること。昇給が適用されていること賞与か退職金が支給されること。非正規と賞与や手当など賃金に差があることの全ての要件を満たす者を正規雇用労働者と定義されています。また短時間勤務や地域限定などの多様な正社員へ転換することも助成対象になっています。2023年11月からは新たに制度を規定して初めて申請した企業に20万円。多様な正社員制度を規定して初めて申請した企業に40万円が加算して支給される制度整備加算金が設けられました。

対象となる企業は?

・過去7年以内に助成金の不正な受給を行っていない・労働保険料の未納がない・申請日から1年以内に労働関係法令の違反がない・性風俗関連営業、接待を伴う飲食などの営業を行っていない・暴力団と関わりがない・暴力主義的破壊活動を行ったまたは行う恐れがある団体などに属していない・申請日、支給決定日の時点で倒産していない・支給決定日の時点で雇用保険適用事業所であることで一般的な要件が大半となっています。大企業も申請は出来ますが支給率が75%となります。正社員化コースの注意点としては転換日を起算として前後6ヶ月通算して1年間会社都合退職者を出していないことが要件となります。申請の際は就業規則・出勤簿・雇用契約書・賃金台帳などの帳簿の提出が必要となります。対象となる労働者に対しては転換前後で3%以上の賃金アップが必要です。過去3年以内に請負もしくは委任の関係にあった者は対象外となりますのでご注意下さい。

受給までのスケジュール

先ずは計画書の提出です。5年間有効で対象者毎の提出は要りません。次に規定の改訂で転換制度を明記する必要があります。入社して非正規雇用6ヶ月以降、本人希望により正規雇用労働者に雇用を転換します。正規雇用になり6ヶ月分の賃金を支払った後、2ヶ月以内に1回目の申請を行います。7ヶ月から12ヶ月分の賃金を支払った後、2ヶ月以内に2回目の申請を行います。助成金は2回に分けて支給されます。助成金は正社員化を図る雇用主に支払われる制度であり、労働者に支給されるものではありません。社会情勢の変化に伴ってより安定した正規労働者を希望される方が増えています。正規労働者の雇用枠を拡大しようとする雇用主に対する助成金制度となります。当事務所では経営面や労働実務でお忙しい経営者様に代わって補助金制度の提案から申請代行を行っています。お気軽にご相談下さい。

行政書士 辻賢一事務所