小規模事業者の為の融資制度
融資制度のお話が出るとよく「マル経」という言葉が出てきますが、「小規模事業者経営改善資金」の通称です。小規模事業者が利用出来る国の融資制度となっています。無担保・無保証で日本政策金融公庫が融資を行います。融資の対象となるのは常時使用する従業員が20人以下(商業またはサービス業(宿泊業及び娯楽業は除きます。)に属する事業を主たる事業として営む方は5人以下)の法人または個人事業主の方です。貸付限度額は2000万円で返済期間は元金据置期間1年以内で運転資金については7年以内。設備資金については据置期間2年以内で10年以内となっています。保証協会の保証も不要で利率は1.45%(2024年8月1日現在)となっています。また新型コロナ感染症関連・令和2年7月豪雨関連・東日本大震災関連の危機対応型のマル経融資も設けられています。(最近の傾向しては返済期間は5年間、据置期間は取って貰えないケースが多いようです。)
推薦の要件
推薦の要件としては前述の小規模事業者に該当すること、原則として6ヶ月以上商工会・商工会議所等の経営改善普及事業に基づく経営指導を受けていること、所得税や法人税・事業税・都道府県民税・市町村民税を原則として完納していること、商工業者であり日本公庫の国民生活事業の非対象業種等でないことなどが挙げられます。実質的に商工会の会員であることが求められますが、商工会の年会費は個人事業主の方で年間1万円以内のところが多く、経営指導だけでなくセミナーや交流会などにも参加できますので加入をお勧め致します。経営指導と言ってもそれほど堅苦しいものではなく、現実の経営に沿ったアドバイスを貰えたり、商工会議所によってはセミナーや交流会・勉強会などに参加することでも経営指導にカウントしてくれるケースもあるようです。
融資までのプロセス
1.原則として前述の経営指導を受けることが必要になります。2.商工会議所にマル経融資の推薦を依頼します。3.商工会議所で調査・判断・審査会・会長・会頭の認証を貰って日本政策金融公庫へ推薦を行います。4.日本政策金融公庫で受付された後、審査を経て融資が決まります。5.日本政策金融公庫から申請された小規模事業者に融資が行われます。貸付限度額は2000万円となっていますが、1000万円を超えると日本政策金融公庫の本部の決裁が必要になり期間もかかりますので1000万円の融資を目指されるのが実用的ではないかと思います。また希望額の満額が決裁されないケースもありますので不足分は商工会議所から提携の金融機関を紹介してもらって合わせての協調融資を考慮されてみても良いかなと思います。個人事業主の方は日々のお仕事で忙しくて融資制度を知る事や、融資に必要な書類作成までは、なかなか手が回らないと言われる方もいらっしゃいます。事業計画書や収支計画書等の作成についてもお問い合わせください。