1人で逃げます。
介護施設で防犯講座を行った時のお話です。若い男性の介護士さんが、暴漢からの危険回避の講習までは熱心に受講されていたのですが、やむを得ず暴漢と対峙した時の対処法の講習になった時は、明らかに興味がないようでつまらなさそうな様子に見えました。そこで防犯講座が終わった後で、今後の参考にしたいからと、その男性介護士さんに暴漢と対峙した時の講習はつまらなかったですか?と質問してみました。その介護士さんは爽やかな笑顔で「先生の言われる通りだと思います。自分は危ない目に会いそうになったら全力で逃げますから、暴漢と対峙した時の講習は必要ないと思いました。態度に出ていたなら、ごめんなさい。」と言われました。そこで、大好きな彼女と歩いていた時に、暴漢に絡まれたらどうするかという少し意地悪な質問を投げかけてみました。彼はやはり笑顔で彼女と一緒に逃げますが、どうしてもの時は最後は1人で逃げます。彼女の代わりはいますが、自分の代わりはいませんので。」とのことでした。
男らしさ女らしさ。
男らしさ女らしさという言葉は死語になっているようです。というか教育界では禁句に近いようです。ジェンダーフリーの中で育ってきた若い世代は、我々昭和時代の男から観れば羨ましいくらいに喜怒哀楽の表情が豊かです。嬉しい時はよく笑い、悲しい時はよく泣きます。男は泣くなと刷り込まれてきた我々からは驚くべき程に表情も豊かに見えます。会社でのイーラーニング等でパワハラ・セクハラ・LGBT等を学び根本的な意識改革を行わなければとは思いますが、本音を言うとなかなか昭和の教育の中で育った自分は理論に気持ちが追いついてない部分があります。自分達の少年期は女性同士の争いごとに男子は立ち入らないという不文律があったように思いますが、現在では女性同士の争いごとに男子も当たり前のように介入して、いじめの構造を更に難解にしていると教育現場の先生に聞いたこともあります。自分が開催していた空手教室のキャチコピーが「強くなれ! 優しくなれ!」でしたが、今では使えないフレーズでしょうか?、、
多様性の時代。
自分の友人で、まだ彼女になっていない片思いの女性の友達と繫華街を歩いていて、不良めいた3人組に絡まれて本当にボロボロになりながらも彼女を守り抜いて、その後結婚したケースがあります。今でも彼女は夫になった自分の友人男性を私のヒーローと呼んでいます。自分も妻と一緒に住宅街の自然豊かな道を歩いていて、放し飼いの大型犬に襲われ身を挺して妻を守った後に妻から「やっぱりパパで良かった。あの時私を置いて逃げていたら離婚してたと思う。」と怖いことを言われて大型犬に襲われた時よりゾッとした経験があります。愛する人を守りたいと思うのは人の自然な気持ちではないでしょうか?、、そう言えば空手教室に入会してくれた女性が選手コースに入りたい強くなりたいとの事でしたので、動機を尋ねると「彼氏がとても弱いので、私が守ってあげないといけないと思って。」多様性の時代です。強く優しく男の子。優しく強く女の子。共に幸あれ。