
進む高齢化社会
高齢化が進む社会では、「老老相続」と呼ばれる新しい問題が起きて関心を集めています。老老相続とは、高齢の親から高齢の子へ財産が引き継がれる相続ケースのことです。老老相続では、相続手続きが複雑になり、大きな負担がかかったりして、様々な問題が起きています。老老相続とは何か、なぜ増えているのか、どのような問題があってどうしたらスムーズに相続できるのかを、少しでもわかりやすくお話しできればと思います。
老老相続が増えている時代背景
少子高齢化が進んでいます:日本社会の高齢化はますます進み、高齢者が年々増えています。また、少子化と相まって、働く人の労働人口の減少や社会保障制度を維持する為の負担が増えているといった問題も進んでいます。一人暮らしも増えています:核家族化が進んで家族や親族と一緒に生活することが少なくなり、相続手続きを手助けしてくれる人が傍にいないケースも増えています。家族や親族や地域とのつながりが希薄になってしまい、相続に関する正しい知識や手立てを得にくい状況も生じている気がします。寿命が延びた:医療や介護の発達により寿命が更に延びています。健康寿命との格差年齢が拡大して、高齢者が長寿になる一方で、介護が必要な期間も長くなる傾向にあります。相続手続きの分かり難さ:相続に関する手続きは複雑で、多くの書類が必要になります。戸籍謄本や固定資産の評価証明書など、多くの書類を準備する必要があります。書類を集めるためには役所や金融機関などに出向かなければなりません。高齢になると体力的にも心理的にも負担が大きく簡単なことではありません。
老老相続を円滑に行うには?
老老相続の問題を円滑に行うためには、いくつかの方法があると思います。1.遺言書を作成して定期的に見直す。2.生前贈与や生命保険の活用。3.専門家に相談する。高齢者の方の中には、認知機能が下がってしまって自身の意思決定が困難になることがあります。こうした状況では、遺産分割協議書を作成する時に家族間で意見が割れて、トラブルになることもあります。また、遺産の分割方法を巡り、相続人同士が対立してしまい、裁判になってしまうケースもあります。相続が遅れてしまう事による財産分散。被相続人となる予定の人、親などが高齢になるにしたがい、相続が発生するまでの期間が長期化します。その間に亡くってしまう子供さんなどの相続人なども出てきてしまう事もあります。相続人に変わって子供さんの子供(被相続人の孫)などが相続する「代襲相続」となる可能性が出てきます。1人の相続人が亡くなり、その子供が3人であれば、代襲相続人は3人になります。次の相続までの期間が長くなるほど、相続人の数は増えて、財産が分散してしまうのです。
専門家への相談が大切です
老老相続に関する問題を解決するためには、法的なことは弁護士さん、相続税など税のことは税理士さんなどの専門家への相談は欠かせません。専門家であれば、専門知識を活かして、個々のケースに最適な解決方法を見つけてくれます。税理士に相続税の相談をしておけば、トラブルを起こすことなく相続税を納税することができます。また、弁護士に相談すれば、法的に有効な遺言書を作成し、後のトラブルを未然に防ぐことが可能です。かと言っても弁護士さんや税理士さんでは費用の心配も含めて、敷居が高いと感じる人も少なくないようです。遺言書の作成のお手伝いや家族間で合意出来れば遺産分割協議書を作ることは行政書士が行えます。行政書士事務所は全国にコンビニと同じ位の数があり、地域に根付いたよろず相談所としての役割を果たしてきました。弁護士や税理士さんが必要な場合は紹介もしていただけると思います。先ずは街の身近な相談者である行政書士事務所にご相談されることをお勧めします。
「行政書士 辻賢一事務所」 特定行政書士・宅地建物取引士 辻賢一