マンションの修繕積立金が高い

修繕積立金が必要な理由

前回お話しさせて頂いた中古のマンションを購入を検討されている方から新築のマンションよりも中古マンション物件の方が修繕積立金が高いのではないか?というご相談を受けました。修繕積立金はマンションの大規模修繕工事のために毎月積み立てておくお金です。修繕積立金がないと12年~15年毎を目安に実施する大規模修繕工事が出来なくなりマンションが老朽化してボロボロになってしまいマンションの持つ資産価値も下がってしまいます。将来必要になる工事費用を計画的に積み立てるのが修繕積立金です。人もそうですが若いうちはあまり病気や怪我もしませんが年を取ると生活習慣病などいろんな病気が出てきます。マンションも同じで古くなると修繕個所も増えてきて修繕積立金も高くなってゆく傾向にあります。新築のマンションを売る場合は販売会社の思惑として初期の修繕積立金を低めに設定して売りやすくしたいという販売戦略も見え隠れします。値上げを前提とした段階増額方式を採用しているケースも多く中古マンションを購入しようとする時点では修繕積立金が高くなっている場合がある訳です。

修繕積立金の値上げがトラブルになることも

どのオーナー様も修繕積立金の値上げは嫌ですよね。ローンを組まれて購入されたり、年金をベースに暮らされている方からしたら修繕積立金の値上げ追加の一時金の徴収などは大きな問題です。標準管理規約によりますと第48条で修繕積立金の値上げは総会での普通決議事項となっています。かと言っていきなり総会で修繕積立金の値上げの提案を行うと大きなトラブルになることもあります。充分に値上げを理解して頂く為に、1.長期修繕計画を立てて資金計画を確認する。2.修繕積立金の値上げ時期を計る3.組合員(各オーナー様)に対してアンケートを実施して、出た意見に理事会としての見解をまとめる。4.アンケート結果、理事会の見解を広報して説明会を開催する。5.総会を開催して修繕積立金の値上げを決議する。という手順などが必要かと考えられます。

快適なマンション生活を過ごす為に

マンションの外観も含めて施設の老朽化を防ぐためにも修繕積立金は大変重要なものです。丁寧に修繕積立金の値上げ合意形成までの手順を進めることによって各オーナー様の理解も得られやすくなります。避けなければならないのは声の大きい批判者に引っ張られて中立的なオーナー様が賛成しづらくなり総会で承認を得られず大規模修繕工事が実施出来ないという事態です。マンションが老朽化してボロボロになればマンション自体の資産価値も大きく下がってしまいます。マンションは管理を買えと言われる所以でもありますね。勿論ですが会計を見直すことも重要になります。管理会社の指定する施行業者だけでなく複数の業者から大規模修繕工事の見積もりを取る。第三者的な建築士に診断を仰ぐ、以前にも述べましたが民泊を行うオーナー様から別途施設維持の負担金を頂くなどして会計を見直しして修繕積立金の値上げ幅を小さく抑えることが出来るケースもあります。理事会の役員さん達は持ち回りで担当されている場合も多く、日々の生活の中での理事会活動も大変です。お気軽にマンション管理士などの専門家にご相談下さい。

マンション管理士 辻賢一事務所