マンションでの地震対策

大きな地震が発生したら

新しい年が明けてすぐに能登半島で大規模な地震が発生しました。マンションでの生活の中でもし大きな地震が発生したらどうしたらいいのでしょうか?1981年6月以降に建てられたマンションは新耐震基準になっていて倒壊などの危険性は低いと言われていますが、特に高層階では長周期地震動の大きな揺れが続くこともあります。地震が起きた時の初期対応としては手すりなどの固定されたものにつかまる。家具や食器棚などから離れた廊下などに移動する。布団やクッション等で頭部を守ることが大切です。揺れが収まっても次の余震が来ることもあります。底の厚い靴を履いて新聞や雑誌で足場を確保してから行動しましょう。ドアや窓が開くかを確認して、障害物に気を付けながら外に出る避難経路を通りましょう。築浅のマンションには共同の防災用品が備えられているケースも増えています。防災備蓄倉庫に何があるのか、どれくらいの量があるのか、また利用方法についても情報を共有することが大切です。また個人でも防災用品を備えておきましょう。

避難先をどうするか

避難所は地域の学校や公共施設が指定されているケースが多いです。住む家を失った人や二次災害の恐れがある人が集まってきます。硬い床や空調設備が充分でない、トイレの数も足りないプライバシーが守りにくい等、住環境に適しているとは言えません。慣れない環境でのストレスを避けるためにも耐震性に優れているマンションの低中階層の場合は在宅避難も選択肢になります。マンション管理組合様が日頃から適度な住民同士のコミュニケーションを取られているケースでは助け合いは大規模な避難所よりもしやすい環境であるともいえます。大規模災害発生時は最低三日分、出来れば一週間分の備えが必要だと言われています。自治体が出している情報(東京防災が優れていると言われています。)を参考に各家庭に適した物を選んで日頃から備えておいて下さい。在宅での非難が困難な場合は避難所に持って行く物もチェックして備えておくと良いと思います。

マンションを購入する際にやっておきたい事

そもそも論になってしますが、マンションを選んで購入する際には自治体が出しているハザードマップを見て災害の可能性がある地域なのかを確認する。マンションが立っている地盤についても自治体が出している地盤データをチェックしたり、民間の地盤調査会社の診断を受けることなどをお勧めします。私自身が被災地の災害ボランティアに行って体験したことですが、水害に遭われた地域の比較的新しい住宅地では、河川からの距離が近く盛り土(土を盛って造成するより切り取って造成する切土の方が地盤は強い。)による造成地だったようで地元の方たちも水害を心配されていたとのお話を伺いました。不動産の販売会社の担当者に地盤の強さ・改良の内容・基礎杭の資料を見せてくれるように頼むことも必要だと思います。自宅の購入は一生に一度か二度の高い買い物だと思います。手間を惜しまずチェックされて下さい。マンションは管理を買えとも言われます。中古マンションを購入される時は、マンション管理組合様の役員さんから住民同士のコミュニケーション行事防災対策等のお話を聞かれることもお勧め致します。

マンション管理士 辻賢一事務所