地震が起きる前に
地震が起きる前にやるべき対策を項目ごとにお話したいと思います。前回でも触れましたがマンションを購入する前にマンションの所在地を自治体が出しているハザードマップで確認する。販売会社の担当者に地盤の強さ・改良の内容・基礎の資料を見せて貰う事が大切です。特に基礎については直接基礎か杭基礎か杭基礎であるならば支持杭か摩擦杭か支持杭ならば杭の種類は既製コンクリート杭か場所打ちコンクリート杭か鋼杭かを確認する必要があります。一般的には地盤まで達している鋼杭が強いとされています。自分自身では判断できない時は詳しい友人や知人あるいは建築士に観てもらうと良いかと思います。福岡県でも大手の不動産会社の販売したマンションの基礎杭が地盤まで届いてなくて完成後に傾いてしまって訴訟事件になるという事案も実際に起きています。
1.耐震補強
マンションの建物自体の耐震性を高めるために耐震補強工事を行うことが重要な対策になります。建物の柱や壁、基礎などを補強することで地震に対する耐震性が向上します。マンション自体の耐震補強工事には多くの金額が必要となります。管理組合様の修繕積立金の現状や過去の工事実績、これからの工事予定なども把握しておくことが大切です。
2.家具や家財の固定
マンションにお住まいの各個人様で出来ることとしては家具や家財などの重い物を固定することで地震時の倒れやすさを軽減することが出来て家具の下敷きになるなどの被害を防げます。例えばテレビ台や本棚、キッチンの食器棚などを壁や床に固定することが効果的です。最近ではホームセンターなどでもコーナーを設けて耐震ジェルや固定棒などの様々なグッズが販売されているお店もあります。
3.非常用品の備蓄
災害時に必要な非常用品を備えておくことも大切です。飲料水や非常食、懐中電灯、ラジオ、救急処置キットなどを用意しておきましょう。防災意識の高まりからセットになった防災リュック等も販売されています。また水やレトルト食品などをストックして日常生活で使いながら常に消費期限に余裕を持たせる取り組みをされているご家庭もあります。
4.避難経路の確認
マンション内では地震や災害時での避難経路を確認しておくことが重要です。日頃から自室からの避難経路を確認して、経路上の非常階段や避難用の通路の障害物がないことを確認して、通路上に私物などの障害物が置いてある場合は管理会社や管理組合様を通して取り除いておくことが大切です。スムーズな避難行動が大切な生命を守ります。
5.防災訓練と情報共有と判断
管理組合様が主体となりマンションの住民全体で定期的な防災訓練を行い地震や災害時の行動計画を共有することが大切です。自治体や地域の防災組織、お住いの管理組合様から提供される情報を常に確認して備えておきましょう。日頃の訓練がいかに大切かは新年早々に起きてしまった羽田空港での航空機事故で実証されています。マンションの高層階では長周期地震動の大きな揺れが発生することがあります。また断水やエレベーターの故障などが起きることもあります。災害時においては高価格で人気のある高層階より低中層階の方が災害時の自宅非難に適している事も事実です。情報を精査して自分自身で判断することも大切なのではないでしょうか?