一番強い護身術は?
防犯講座が終わった後の質問コーナーで、「一番強い護身術は何ですか?」と聞かれることがあります。自分のベースは立ち技格闘技である直接打撃制の空手道ですが、どんな格闘技にも優れた点とそうでない点があります。立ち技格闘技に共通するウィークポイントはタックルなどで倒されてしまい、打撃が思うように出来なくなる事です。それでは打撃有り・投げ技有り・組み技有りの総合格闘技を修練すれば良いかと問われれば、それぞれの打撃・投げ技・組み技の練習時間が分散して少なくなってしまい、それぞれの習熟度を高めるのにかなりの修練時間がかかりますし、趣味として行う人は別としても運動が好きでも得意でもない方はそもそもトレーニングを行って防犯するという発想も無いと思います。それでは最強の護身術は無いのでしょうか?あります。お金もトレーニングも要らない一番強い護身術はズバリ「日頃の心構え」です。
危ない場所や人に近づかない
何度もこのブログでもお話しさせて頂きましたが、日頃の意識が防犯の90%を占めると言っても過言ではないからです。そもそも論ですが危ない場所や危ない人に近づかなければ危険な目に遭う事もありません。そんな事は分かってるよと思われるかもしれませんが、無防備な心の状態が危険を招いてるケースが多くあります。夜遅くなった時に、イヤホンを装着したまま明るい道を選ばずに暗い道を歩いて帰宅する。コンビニなどで買物する時に背後に距離が近い人がいないか確認しない。(不審者は買物の中身を見て一人暮らしか自宅が近いか等を物色します。)自宅に入る際に後ろを確認しない。電車内等で不審な服装や言動をしている人を確認しない等は自ら危険度を上げてしまっています。反省の念も込めて自分も若い時の一時期は血気盛んで、自分の打撃が実際に通用するのかを思い無意識のうちにもストリートファイトを望んでいなかったかと問われれば噓になります。自ら危険度を上げてしまっていました。お恥ずかしい話です。ごめんなさい。
逃げる時間を作り出す
そうは言っても、何が起こるか分からないのが現実社会です。また一般的には体格的に劣る女性や子供さんが大の男に立ち向かうことは無理ですし出来ません。危険回避で走って逃げろと言っても、そのまま逃げても危険な相手から逃げる行動を予測されて追いつかれて、殴られたり武器で攻撃されたり捉えられたりしてしまいます。こんな時に大きく安否を分けるのが日頃の防犯意識です。自分も人に言われて初めて気が付いたのですが、日頃から背後に気配りをしたり、コンビニで熱いコーヒーを買っても車に乗り込むまで蓋をしなかったり(万が一襲われても相手に熱いコーヒーをぶっかけると回避時間が稼げます。)一番恐いのが日頃から何の防犯意識が無くて襲われてしまうと無意識のうちに自護体といって耳をふさいで座り込んでしまう現実逃避の行動を取ってしまう事です。こうなると襲撃者の意のままに被害を蒙ることになります。防犯グッズとしてここで紹介した催涙スプレーやフラッシュライトも逃げる時間を作り出す物です。日頃のちょっとした防犯意識で安全で快適な生活を送って頂きたいと願っています。