刃物を持った犯人への対応。
電車内で刃物を持った犯人が無差別に乗客を襲うという事件が起きています。模倣犯も現れて、レアなケースとも呼べなくなっています。では、万が一にも刃物を持った犯人に遭遇してしまったら、どう対処すれば良いのでしょうか?、、先ずは危険回避です。そうです。一目散に逃げるのです。刃物を持った犯人から遠く離れてしまえば危害を加えられる事はありません。逃げる際には、心に余裕が有ればですが、周りの人達にも危険を知らせて避難を促す。電車内のSOSボタン(緊急連絡装置)を押す等して下さい。犯人に一番距離の近い最後部のしんがりの方は、通路に座席シートを外して置く、傘などを座席のアームレスト間に跨す、車両間のドアは閉めるなどすれば犯人の追撃を遅らせる効果があります。一般人の方にそこまで求めるのは無理ですが、乗客を守る立場の電車の乗務員さん達は知っておいて欲しい知識だと思います。これから以後はやむを得ず犯人に対峙しなければならなくなったケースをお話したいと思います。
犯人の行動を観る。
犯人が大声で刃物を振り回して周りの人を威嚇しているが、切りつけたり刺すなどの行動までに至っていない場合は、説得の余地があります。犯人を気持ち的に刺激しないように刺されない距離を取り、犯人が叫んでる言葉を使って共感してあげて優しくも毅然とした態度で刃物を下に置くように諭します。犯人が「世の中、やってられない。」と叫んでいたら「世の中、やってられない事が多いよね。」「話を聞かせてよ。」などとオウム返しで対応して「まず刃物を下に置こうか。」と諭して下さい。街中の喧嘩もそうですが、威勢よく言葉で威嚇している間は暴力行為には至りません。自分もそうですが戦闘モードに入った時は、人は言葉などは出てこないものです。(武道での攻撃での裂ぱくの気合や犯人が凶行に及ぶ時の訳の分からない雄叫びなどはあります。)人間の機能自体が同時に幾つもの行動が出来るマルチタスクではなくシンプルなシングルタスクなのです。説得しながらも距離を取ることと防御姿勢(防御姿勢については次回以降に記します。)は崩さないことが不可欠です。
犯人がすでに刃物で凶行に及んでいる場合。
犯人がすでに強い殺意を持って刃物で乗客を切りつけたり、刺したりして凶行を行っている場合は、説得の余地などはありませんので、直ちに逃げて下さい。やむを得ず対峙する場合は上着を脱いだり、近くにスポーツタオルなどがあれば手に持って下さい。刃物による致命傷は、心臓や肺などのある体幹部を深く刺されたり、首筋の動脈部を切られたりして起こる出血多量や出血性ショックによるものです。上着やタオルを闘牛士のマントのように身体の前で広げて、体幹部までの距離感を狂わせて下さい。これで犯人からの初撃による致命傷は防げます。犯人が刺したり切り付けたりの行為に出たら上着ごと刃物を絡め取って、犯人の足の甲を思い切り踏みつけて犯人の足にダメージがある間に逃げてください。この時は、後ろを向いて逃げるのではなく、半身をきる形で犯人の動きを把握しながら逃げて下さい。よく防犯訓練などで、電車の座席シートを外して盾に使っているケースを見掛けますが、座席シートは取り外すのに要領がいり意外と時間がかかります。また重さも重たいタイプのもので10kgほどありますので、迅速に盾として動かすこと出来ませんので、実用性に欠けます。では夏場で上着も着ていない、近くにタオルもない正に身体一つだけでの対処方法については次回以降に話したいと思います。