被災地のニーズは日々変わります
能登半島で大規模な地震が発生した後、多くの人達が被災地を訪れようとして交通渋滞が起きて必要な物資が滞ってしまう状況になっていると報じられています。私自身が熊本地震や朝倉の大水害後の災害ボランティアに参加して拙い経験ながら感じたのは、被災地のニーズは日々変化して行くという事です。災害発生時は、兎にも角にも生命を守る事が最優先となります。消防や警察、自衛隊などが懸命の救出救護活動が行われ、怪我をされた人達には懸命な医療活動が行われます。避難所では衣食住に関して出来る限りの活動が行われますが充分とは言えない状況が続きます。全国からの支援物資が届くようになり少しは避難生活が落ち着くと被災した住居の状態を確認する為に自宅に一時的に帰宅する人も出てきます。使えなくなった家電などの大型粗大ごみの撤去や汚泥の運び出しなど多くの人手が必要になります。
時期を間違えると迷惑になることも
この時期になると行政のボランティアセンターも機能し始めて、ボランティアの募集や被災された方からの要望を聞き取って、人手や道具を割り振りをするマッチングも行われるようになります。我々のような一般人が災害ボランティアを行わせて頂くのは、この時期からが良いのかなと思います。事前にボランティアメンバーに登録してボランティアセンターが指定する場所と日時に集まることになります。活動内容に沿った服装や装備を整えて、ボランティア保険に加入することも必須です。現地までの移動や食糧の調達も原則として自前で準備します。中には悪気ではないことは分かるのですが、現地にきて服装や装備、食事を要求される方もいますので初めての参加の方は経験のある方と同行されることをお勧めします。この時期になると皆が汗だくで作業を行っている最中に、スーツ姿でバッチを付けて視察に来られる政治家の方も散見されますが、はっきり言って迷惑なので止めた方が良いかと思います。この時期は被災された方は、汚泥の一握りでも運び出してくれる人が欲しいのです。
何が出来るかを考えて行動
ライフラインが復旧して被災された方々も生活が少しは落ち着いてくるとニーズも変化していくように思います。大型粗大ごみの撤去や汚泥の運び出しが落ち着くと住居を水などで洗い流してきれいにする作業や壊れた住居部分の応急の補修作業が増えて、更に仮設住宅への引っ越し作業や住む事が可能な住居へは帰宅の作業も出てきます。洋服の運び出しなどは下着なども含まれます。熊本地震の時は必ずチームに女性の方が参加されて、被災された方に聞き取りながら仕分け作業をされていて心配りを感じました。私自身も地震が発生した初期の頃は瓦礫の撤去作業などを行っていましたが、そのご縁でマンション管理士として被災されたマンションの管理組合の役員さんと大規模修繕工事のご相談などに携わさせていただきました。政治家の皆さんも、この時期に訪れられて被災された方のお話を直接聞いて公的支援や扶助の政策などに活かして頂ければ、感謝されるのではないかと思います。自分自身に何が出来るのかを考えて行動することが大切ではないかと思います。